ケト アシドーシス と は。 アシドーシス・アルカローシス、脱水(水欠乏性脱水・ナトリウム欠乏性脱水) − 健康と医療の情報局

ケトアシドーシスとは?

ケト アシドーシス と は

【Q】 55歳,男性。 アルコール依存症だが,ここ数日はお金がなく,アルコールは摂れず,食事も1日1食程度であった。 突然の意識障害で来院。 pH7. 246。 血糖18mg/dL。 乳酸80. 0mg/dL。 アルコールによるケトアシドーシスと考えたが,いかがか。 アルコール多飲で低血糖とケトアシドーシスが起こる機序を。 (福岡県 S) 【A】 アルコール性ケトアシドーシス(alcoholic ketoacidosis;AKA)を疑うべき状態だが,情報が不足しているためそれ以上の言及は困難。 AKAの診断で重要なのは除外診断である AKAはアルコール依存症患者に生じる酸塩基平衡異常症である。 以下に,その機序と診断に関して説明する。 まず,典型的なAKAの経過を示す。 発症の背景には,アルコール依存に伴う長期的な食事摂取不足による飢餓状態と,飲酒に伴う嘔吐・下痢や水分摂取不足,アルコール摂取に伴う抗利尿ホルモンの分泌抑制による脱水状態が存在する。 大量飲酒後の消化器症状により飲酒もできなくなると,アニオンギャップ開大性の代謝性アシドーシスを生じてAKAを発症する。 長期的なアルコール摂取により肝ミトコンドリアにNADHが蓄積するため,NADH/NAD比が高まる。 NADH/NAD比が上昇することで,糖新生やTCA回路が抑制される。 このエタノール代謝過程で肝グリコーゲンが消費されるため,肝グリコーゲン貯蔵量が減少する。 さらに,慢性的な飲酒に伴う摂食不足や嘔吐・下痢,飲水不足などにより,脱水・飢餓状態に陥る。 循環血液量の喪失は交感神経系の賦活化をもたらし,インスリン分泌低下,抗ストレスホルモン分泌を促す。 また,飢餓状態は肝グリコーゲン貯蔵量の減少につながる。 これにNADH/NAD比の上昇による糖新生の抑制も合わさり,血糖値を低下させることでさらにインスリン分泌低下,抗ストレスホルモン分泌を促進する。 そして,アルコール依存症患者は酒類に含まれるわずかな炭水化物が糖質の供給源となっているが,消化器症状によりそれが断たれることでケトアシドーシスをさらに増悪させてAKAが発症する。 また,NADH/NAD比の上昇はピルビン酸から乳酸への代謝も促すため,乳酸アシドーシスも多くの症例で合併する。 ただしこの場合は軽度から中等度にとどまることが多い。 低血糖の合併に関しては上述の通り,絶対的な糖質摂取不足と肝グリコーゲン貯蔵不足,NADH/NAD比の上昇による糖新生の抑制などが原因である。 AKAの診断 AKAには診断基準がないため,総合的に臨床診断をすることになる。 一般的には,アルコール依存症患者が大量飲酒後に消化器症状により飲酒すらもできなくなる,といったような典型的な病歴と,ほかの原因が除外可能なアニオンギャップ開大性の代謝性アシドーシスが存在し,3—OHBA優位なケトン体の上昇が証明されれば診断がなされる 1)2)。 ここで重要なのは除外診断であるが,アニオンギャップ開大性の代謝性アシドーシスを呈する疾患の除外になる。 代表的な疾患は,糖尿病性ケトアシドーシス,飢餓性ケトアシドーシス,組織虚血(ショック・塞栓症など),肝不全,敗血症,悪性腫瘍,薬剤の副作用(ビグアナイド薬・サリチル酸・カルバマゼピンなど),ビタミン欠乏症(B 1・B 2・B 6など),腎不全,中毒(メタノール・エチレングリコールなど)などになる 3)。 本例は典型的な病歴ではあるが,除外診断を行うための情報がない上,アニオンギャップも不明なため診断は困難である。 アルコール依存症患者は,低栄養状態による免疫力低下で易感染性があるため,感染症の否定は重要である。 また,耐糖能障害の合併や肝硬変の例も多いことから併存疾患によるアシドーシスの可能性も考慮しなければならない。 【文 献】 1) McGuire LC, et al:Emerg Med J. 2006;23 6 : 417—20. 2) Wrenn KD, et al:Am J Med. 1991;91 2 :119—28. 3) Davids MR, et al:QJM. 2004;97 6 :365—76. スクラップ登録済 関連記事・論文.

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血液ガスの異常 アシドーシス、アルカローシス

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糖尿病ケトアシドーシスの基礎知識 POINT 糖尿病ケトアシドーシスとは 糖尿病性ケトアシドーシスとは、血液中の糖を体内に取り込むために必要なインスリンが不足することで起こります。 インスリンが不足するとエネルギーとして糖分を使えない代わりに脂肪酸を使うので、その結果として体が酸性に傾いてしまい生命を脅かします。 ケトアシドーシスは1型糖尿病の方で特に多く起こり、重症感染症やその他の病気にかかったとき、暴飲暴食をしてしまったとき、インスリン注射を忘れてしまったときなどに起こります。 短時間でひどい脱水症状、腹痛、嘔吐、意識障害、昏睡が現れるのですみやかに治療を開始しなければなりません。 糖尿病を治療中にこのような症状が現れた場合にはすぐに医療機関を受診をしてください。 の悪化により、 意識障害などの症状を起こした状態• で インスリンが欠乏すると、糖をエネルギーとして利用できなくなる• 尿から糖、水分の排泄が増え、脱水になる• 糖の代わりに、脂肪をエネルギーとして利用する• その際に産生されるケトン体が増えると、血液が酸性に傾き、意識障害などの症状を生じるようになる• 以下のことが原因で起こる• 患者の患者で起こりやすい• 生存にインスリン注射が必要な(インスリン依存型)患者が、インスリン注射を止めてしまう• 患者では、清涼飲料水やジュースを多飲したときにも生じる ペットボトル症候群• などの 感染症により、の状態が悪化する• 小児や若年者では、突発的にを 発症し、糖尿病ケトアシドーシスを呈する場合もある• と症状は類似しており、合わせて性昏睡として扱われる 糖尿病ケトアシドーシスの症状• 入院の上、水分を大量に補う点滴と インスリンの投与を行う• 高血糖状態と、脱水、血液が酸性に傾いている状態を改善させる• 入院は可能な限り、専門医のいる医療機関が望ましい• 感染症などの糖尿病ケトアシドーシスを引き起こした原因の病気があればそちらも治療する• インスリンの使用:普段とは異なる量が必要• インスリンを用いて治療するとを起こす場合があるので、慎重な治療が必要• インスリン加療と併行してカリウムを補充することが多い• 血糖値を急速に下げると浸透圧や 電解質が乱れるので、徐々に改善することが重要• 血糖値や電解質のチェックがこまめに必要なので、頻回の検査が必要 糖尿病ケトアシドーシスの経過と病院探しのポイント では急激に血糖値が上がって意識がぼーっとしたり、血液が酸性になって腹痛が生じたりします。 の方で普段と調子が違うと感じたら、自己判断でもご家族の方の判断でも、まず一度血糖値を測定してみて下さい。 に限らずなど様々な異常が発覚することがあります。 ご自宅で血糖測定をして極めて高値であった場合、そして、意識がぼーっとしたり、腹痛があったりなど、普段とは異なる症状がある場合には、まずかかりつけの内科を受診することをお勧めします。 意識状態が悪く自力で歩けない場合には、ご家族に付き添ってもらって救急車での受診が良いでしょう。 糖尿病ケトアシドーシスでお困りの方 については、診断がつき次第その場で治療が開始されますし、治療の方法にもバリエーションが少ないため、どこでどのような治療を受けるか迷う余地は少ない病気かもしれません。 病院に到着してからは点滴やインスリンの注射が行われます。 数日間かけて血糖値を改善させた後に、インスリンの量や食事量について見直しが必要ないかを判断します。 また、や尿路感染などが原因でを起こすことがありますので、そのような感染症があればこちらの治療も並行して行うことになります。 であれば、専門医のいる医療機関での入院加療が望ましいですが、救急隊やかかりつけ医の判断で適切な医療機関で治療がなされるため、受診する病院の選び方に悩む余地は少ないと言えるでしょう。

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SGLT2阻害剤内服でケトアシドーシスになるメカニズムの仮説|低糖質ダイエットは危険なのか?中年おやじドクターの実践検証結果報告

ケト アシドーシス と は

症状 代謝性では吐き気やそれに伴う嘔吐、疲れなどを見ます。 進行すると、眠気を感じて、意識も不鮮明となります。 また重度の脱力感を示し、吐き気も高度になります。 更に悪化すると、血圧低下からショック状態や昏睡を引き起こし致命的になります。 また呼吸がやや速くなり、深くなりますが、これはアシドーシスを是正し、二酸化炭素を追い出そうとするものによるものです。 尚、軽度の代謝性アシドーシスでは、無症状のケースも見られます。 呼吸性アシドーシスの初期段階では頭痛や眠気を訴えます。 呼吸障害が軽ければ昏睡へ至るまでに時間を要しますが、呼吸停止するなど重度のケースでは急激に昏睡を招きます。 原因 血中の酸性度が高値の病態をアシドーシスと言います。 代謝性アシドーシスは大量の酸や代謝によって酸に変化する成分を体内へ取り入れることに起因して体の中の酸が増えてしまう状態を言います。 一方、酸が作られる量は適正範囲内でも、腎臓が十分に作用しないことから尿中へ適切な量の酸を排泄できないことに起因して発症する場合もあります。 呼吸性アシドーシスは二酸化炭素を適正とされる範囲内において肺から排出できないことで引き起こされます。 これは肺機能に支障をきたして二酸化炭素が溜まってしまうことに由来します。 例えば、高度な肺炎や、肺水腫、肺気腫、喘息、慢性気管支炎などによって発生します。 更に睡眠薬や胸部筋肉、胸部神経疾患などによっても引き起こされます。 治療法 高度のアシドーシスでは重炭酸塩が点滴にて投与されることもあります。 軽ければ補液点滴のみとなります。 以上はアシドーシスそのものの治療を試みるものとなります。 代謝性アシドーシスでは、原因によって治療方法も異なりますが、呼吸性アシドーシスにおいては肺の働きを回復させることが治療の目的となります。 補足 血液酸塩基度もしくは水素イオン濃度pHが7.45から7.35以下になるプロセスをアシドーシスといい、この数値は動脈血ガス分析測定によって得られます。 要するに酸性側に傾いている状態を指します。 一方、アルカローシスは塩基性側(アルカリ)に変動する過程を指していて、つまり、塩基性側に傾いている状態を言います。

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