エスチュアリー:ヨーロッパに多い海岸地形 エスチュアリーは河口で見られる地形で、海に近づくにつれて川幅が広がり、ラッパ状の河口が見られます。 イギリスのテムズ川、フランスのセーヌ川などの河口はエスチュアリーとなります。 また、海面上昇によって形成された海岸の事を、陸地が水に沈むということで沈水海岸と言います。 沈水海岸にはリアス式海岸、フィヨルド、エスチュアリーとありますが、今回はその中のエスチュアリーです。 エスチュアリーの形成 エスチュアリーは海面上昇によって形成される沈水海岸です。 その形成過程は河川による谷の形成、海面上昇、土砂が少ないということが関係しています。 河川による谷の形成 海面上昇の前は、谷に川が流れています。 そもそも河川は低い土地を流れること、また流れる河川によって地面が削られて谷(V字谷)が形成されていることが理由です。 河口に近い部分では河川が蛇行するので削られる範囲は広くなります。 海面上昇 今から約1万年前に氷河期が終わり、陸地にあった氷河が溶けて海面が上昇しました。 すると河川が作った谷に海水が流れ込みます。 これによって ラッパ状の入り江が見られるのです。 土砂が少ない 河川は上流でも土砂を削ります。 さらに、その土砂を河口付近まで運搬する作用があります。 上流から運ばれた土砂が河口付近に堆積するとV字谷が埋まりエスチュアリーは形成されません。 代わりに三角州が見られます。 エスチュアリーが見られる川は土砂が少ないという特徴があります。 そのため河口付近が土砂で埋まりません。 では、土砂が少ない河川はどこにあるのでしょう。 それは 新期造山帯から流れてこない河川と覚えればokです。 古期造山帯から流れる河川、単純に雨が多い地域などでエスチュアリーは多く見られます。 一方、急峻な新期造山帯から流れる河川は土砂の供給が多く、エスチュアリーは形成されにくく、三角州が形成されやすくなります。 ヨーロッパにエスチュアリーが多いが、ライン川は例外 ヨーロッパにはエスチュアリーが多く見られます。 それは新期造山帯から流れる河川が少ないからだと言えます。 イギリスのテムズ川、フランスのジロンド川、セーヌ川などが有名です。 しかし、ライン川は北海に流れ出る河川の中では珍しく三角州を形成しています。 ライン川は新期造山帯のアルプス山脈から流れてくるため、土砂が多く運ばれて河口付近に堆積します。 エスチュアリーの特徴 大都市が形成されやすい エスチュアリーの特徴として、大都市が形成されやすいという特徴があります。 川の河口付近は平坦な土地が多く、住宅、工場、高層ビルなどの立地に向いています。 また、エスチュアリーは比較的水深が深いため船が入り江の奥まで進むことができ、ヒトや物の移動が楽に行えます。 イギリスのテムズ川はエスチュアリーを形成し、ロンドンと言う大都市を後背地に持つと言うことができます。 後背地と言うのは経済活動が港と密接な関係がある地域の事です。 ロンドンはテムズ川によって発展した都市ということになります。 (左)テムズ川とビッグベン (右)テムズ川に架かるタワーブリッジ 沈水海岸はリアス式海岸、フィヨルド、エスチュアリーとありますが、大都市が形成されやすいのはエスチュアリーのみと言うことになります。 他の沈水海岸はこちらで解説 受験合格には効率的な地理の勉強法が必須 地理の勉強をするときのポイントは「効率的に」勉強することです。 受験科目の配点割合を考えたとき、理系学生にとって地理の配点は最も低くなる科目になるからです。 そのため、受験合格を目指すのであれば、地理の勉強時間を節約し、数学や英語の勉強時間を増やした方が賢い戦略と言えます。 しかし、センター試験の地理問題はクセの強い問題ばかりであり、独学でセンター地理を攻略することが難しいです。 そこで、 スタディーサプリを利用すれば日本トップレベルの講師による分かりやすい授業を1. 5速などで見ることができるため、圧倒的に効率的な勉強法になります。 いつまでも紙とペンで勉強している真面目な学生は成績が伸び悩んでしまい、受験に失敗する可能性が高くなります。 そこで、以下のページでは理系のための効率的な地理の勉強法について解説しています。
次のヨーロッパの自然 自然の中央部は平原で、国際河川の ライン川などが流れる。 北部のスカンディナビア半島には,氷河にけずられた フィヨルドが見られる。 南部はけわしい アルプス山脈が連なる。 暖流の北大西洋海流と偏西風の影響で、高緯度のわりに温暖な気候。 ヨーロッパの社会 キリスト教徒が大半。 ヨーロッパ州の主な産業 東ヨーロッパ諸国など近年のEU加盟国は工業化が遅れ、所得が低い傾向があります。 これらの国々がドイツやフランスで働きに来るため、ドイツやフランスでは失業者が増加するなど、地域格差が拡大しています。 ヨーロッパの農業• 北部…アルプス山脈周辺・園芸農業や酪農が中心。 東部・中部…小麦やライ麦の栽培と畜産を組み合わせた 混合農業が盛ん。 南部…高温少雨な夏にオリーブ、オレンジなど。 温暖多雨な冬に小麦を栽培する 地中海式農業が中心。 EU(ヨーロッパ連合)とは? ヨーロッパ連合 EU へと発展。 2016年現在の加盟国は28か国。 EUの目的 背景として、20世紀の二度の世界大戦を反省。 ヨーロッパの国どうしが協力し、アメリカ合衆国などに対抗する必要があった。 EUの政策 EU域内では、 人・モノ・カネの移動が自由。 パスポートの提示は不要。 共通通貨のユーロを導入し 非採用の国もある 、貿易に関税もかからない。 ユーロスター、特急ICEなどの高速鉄道、高速道路や航空網も整備されている。 EUの課題 加盟国が増えたため、意見の調整に時間がかかるようになった。 ヨーロッパ州のまとめ• 自然…日本より高緯度に位置するが、比較的温暖。 中部は構造平野 パリ盆地やドイツ平川 , 北部・南部は半島と島々。 北部にゲルマン系民族 プロテスタント 、南部はラテン系民族 カトリック。 中央部・南東部はスラブ系民族 ギリシャ正教、カトリック。 混合農業…北部・西部では穀物・飼料作物の栽培と家畜の飼育を組み合わせた混合農業が発達。 地中海式農業…地中海沿岸では夏はオリーブ、ぶどうなどの果樹。 冬は小麦を栽培する地中海式農業を行う。 工業…イギリスで産業革命が始まる。 現在、工業の中心は臨海部。
次の古代ローマの円形闘技場(コロッセウム) 古代ギリシア時代 いまから4000年前にギリシア地方で文明がおこる。 なぜギリシアかというと、メソポタミア文明やエジプト文明にいちばん近かったから。 やがてギリシア各地に都市国家(ポリス)が誕生して、アテネとかスパルタが強くなる。 仕事や家事は奴隷にまかせっぱなし。 アテネでは「民主主義」っていう政治体制もつくりだした。 そうこうしているうちにマケドニアって国がギリシアをぜんぶ支配する。 東へ遠征して、中東をぜんぶ支配する。 おかげでいまのシリアやエジプトなどもギリシア文化に染まる。 ローマ人はギリシア人とちがってめっちゃ現実主義者。 「学問?それ役に立つの?それより道路や水道つくったほうがよくない?」 そんなわけでローマの支配がひろがると、ヨーロッパ中にインフラが整備されることに。 国がちいさいうちは王政。 国が大きくなってくると、みんなで話し合ったほうが合理的だから共和政。 もっと国が大きくなると、解決しなきゃいけない問題が多くなって話し合いではラチがあかない、だから帝政に。 あとにもさきにも、ヨーロッパが統一されたのはこの時代だけ。 賢い皇帝がつづいたこともあって、200年間の平和。 北からはゲルマン人という野蛮な民族が攻めてくる。 そんなとき皇帝になったディオクレティアヌスは、力で国内をおさえこむ。 大統領が独裁者に変わったようなもの。 当然長くつづくはずもなく、ローマ帝国は東西に分裂。 ここから時代は中世に。 ちなみに東ローマ帝国はその後も約1000年間、ほそぼぞと生き延びます。 ぶっちゃけふつうの人にとって国より教会のほうが大事。 だって読み書きを教わるのも教会だし、買い物も教会でひらかれる青空市場だし。 だから教会のトップ、教皇の権力は絶大。 キリスト教の聖地エルサレムもイスラムの支配下に。 「聖地をうばいかえすぞ」と教皇が音頭をとって、1096年から十字軍開始。 でも意外な抵抗にあって、7回もしたのに失敗。 教皇のメンツまるつぶれ。 ヨーロッパ中で商業がさかんになって、ますます国は力を増す。 結果として、国どうしの大規模な戦争もしちゃう。 百年戦争とか。 ここからヨーロッパは第2次世界大戦まで、ずーっと国どうしの戦争をくりかえします。 現実を肯定されたら宗教の出番がないから。 ただでさえ十字軍以降、教皇の権威は落ちまくっているのに。 どうにか権威をとりもどそうと、教会は各地で宗教裁判や魔女狩りを実施。 理由もないのに「おまえは魔女だ」とされて火あぶりになる庶民続出。 買うと天国に行けるよ」と発表。 これにルターがブチ切れ。 「もう教会の権威なんて認めない。 聖書だけあればいい」 と言って、宗教改革開始。 いっぽうの教会もヨーロッパ南部を中心にけっこう盛り返す。 ちなみに盛り返し運動でがんばったのが、フランシスコ・ザビエルが所属するイエズス会とか。 こうしてドイツなどはプロテスタントの国に。 イタリアやスペイン、ポルトガルなどは旧来のカトリックの国に分かれる。 中世には から香辛料(コショウとか)が入ってきて、 「肉にコショウかけて食ったらバカうま!」。 でも当時の香辛料はものすごく高価。 アジアから運ぶのに、イスラム商人がマージンをとって、地中海ではイタリア商人がまたマージンをとるから。 「アジアに直接行って香辛料をとってきたら、ものすごく儲かりそう」。 こうして大航海時代がはじまる。 なぜポルトガルとスペインだったかというと、ちょうどこのころイスラム勢力を追い出して血気盛んだったから。 また大西洋に近かったから。 なぜ15世紀末だったかというと、羅針盤が改良されて、高速船も発明されて、舞台がととのっていたから。 船旅で半分以上の船員が死んだけど、香辛料をもってかえったら利益率がなんと500パーセント以上。 一攫千金を夢見て多くの船乗りがアジアへ。 予想どおりインドに着いて、現地の人々を「インド人(インディアン)」と呼んだけど、あとからじつは新大陸だったことに気づく。 「新大陸にも香辛料(チリとか)あるやんけ」ってことで、スペインは支配にのりだす。 それでインカ帝国やアステカ王国がほろびる。 これをみて新興国のオランダ、ついでイギリスとフランスも国をあげて海外進出にのりだす。 ここからヨーロッパは一気にお金持ちになり、が発展します。 そしてヨーロッパ中心の資本主義がすこしずつ世界を覆い尽くしていきます。 ・・・1回目はここまでです。
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