核 磁気 共鳴 スペクトル。 核磁気共鳴(NMR)スペクトル測定法

NMRの化学シフト(ケミカルシフト)・基準物質・電子密度・磁気遮蔽・寄与する効果

核 磁気 共鳴 スペクトル

このページの目次 リンクはその用語・項目の詳しい説明のページに飛びます。 も参考にして下さい。 最も単純な説明• 少し長い説明• 詳しい説明 基本用語集• 磁性核• 原子核のスピンと周波数• Carrier frequency と磁場• パルスシークエンス• 重溶媒• プローブ• クエンチング 広告 概要: NMR とは 最も単純な説明 Nuclear magnetic resonance NMR は、本来は核磁気共鳴という物理的な現象を示す言葉である 4。 転じて NMR 分光法、そのスペクトル、または分光装置自身を示す言葉としても使われる。 なお、分光法とは電磁波の放出または吸収を測定する実験のことで、言葉のイメージが示すような可視光の分析法のみが含まれるわけではない。 最もシンプルに説明すると、次のようなステップで核磁気共鳴を引き起こし、原子から情報を得る。 磁性核を静的磁場の中に置くとスピンの方向が揃う。 これに一定の周波数の電磁波を照射すると、磁性核と電磁波の相互作用が起こり、スピンの向きが変化する。 この相互作用を核磁気共鳴という。 NMR が起こる際の周波数から、原子の状態 物質の構造などと関係する に関する情報を得ることができる。 少し長い説明 静的磁場の中にある磁性核は、2 つのスピン状態をとることができる。 磁場と平行な向きの磁性核と、逆平行な向きの磁性核のエネルギーの差 dE は、ボーアの関係式によって相当する周波数の電磁波と結びつけることができる。 なお、静的磁場の強さは通常 B 0 で表される。 同時に、逆の反応も起こる。 すなわち、磁場と逆平行な向きの磁性核のいくつかは、磁場と平行な向きに変化する。 これらの変化を 核磁気共鳴 NMR; nuclear magnetic resonance という。 「どの周波数で核磁気共鳴が起こるか」が、原子の状態を表すデータとなる。 このように「 ある特定の周波数を照射したときにみられるエネルギーの吸収」を検出、記録するのが NMR 装置である。 ただし、実際に照射する電磁波の減衰を測定しているわけではない。 Amazon link では、励起された原子核に大きな磁場変化が起こり、これによって発生する電磁波を測定している。 実際に測定しているのは Free induction decay FID である。 特定の周波数の電磁波を原子核に照射すると、励起された原子核は徐々にもとに戻るので、原子核のスピンによって発生する電磁波も徐々に減衰する。 これが free induction decay である。 では "The return of magnetic moments to equilibrium results in an exponential damping of the sinusoidal NMR signal called free-induction decay" と書かれており、平衡状態に戻るときに FID が検出されると書いてある。 によると、検出にはオシロスコープが使われている。 これを解決するのがパルスシークエンス pulse sequence である。 これによって、複数の周波数の電磁波を一辺に照射することができる 5。 用語集の「パルスシークエンス」を参照のこと。 広告 NMR の基本用語集 磁性核 磁気モーメントをもっている核のことを 磁性核 magnetic nucleus という。 よく観測対象になるものとして、 1H, 13C, 14N, 15N, 17O, 19F, 31P などが挙げられる。 各文献の磁性核に関する記述は以下のとおり。 磁性核は電荷をもっていて、コマのように回転しているような性質を示す 1。 磁場の中で棒磁石のようにふるまう。 コンパスの針のように磁場と同じ向きに配向するとも言える 1。 ただし、棒磁石とは異なり量子力学的な制限があるため、磁場と平行 or 逆平行な向きのみが可能。 磁性核のエネルギー状態は、磁場と平行な向きのときに低い 1。 原子核のスピンと周波数 原子核は一定の速度で自転しながら歳差運動をしている。 磁場が強いほど、歳差運動はそれに比例して早くなる。 この歳差運動は磁石の回転であるため、 近傍にコイルを置いて交流電流の電磁波として捉えることが可能である。 5 T の磁場では、水素原子核は約 64 MHz の信号を出す。 これは原子核が 1 秒間に約 64 M 回転していることを意味する。 英語だが、原子核のスピンに関するシミュレーターを紹介した Youtube を載せておく。 Carrier fresuency と磁場 核磁気共鳴を引き起こすために 照射する電磁波の周波数を carrier frequency という。 単位は Hz cycle per second である。 Carrier frequency は磁場によって異なる。 磁場が 2. 35 T のとき、 1H の carrier frequency は約 100 MHz である 7。 磁場が 11. 7 T のとき、 1H の carrier frequency は約 500 MHz、 13C では約 126 MHzである。 以下、主な核の carrier frequency を表にまとめておく 7。 原子核 磁場 2. 5 T での carrier frequency MHz 1H 100 2H 15. 351 13C 25. 145 14N 7. 228 15N 10. 137 31P 40. 481 39K 4. 672 磁場の単位はテスラ T であるが、NMR では 1H の carrier frequency を使って「500 MHz のマグネット」という言い方をすることが多い。 ただし、これらはプローブ、溶媒など多くのパラメーターに影響されるので、磁場の強さが唯一の要因ではない。 化学シフト: Chemical shift NMR 現象が観察される周波数を、共鳴周波数 resonance frequency またはラーモア周波数 Larmor frequency という。 共鳴周波数は原子の種類および磁場によって定まる値であるが、その 原子が置かれている環境で微妙に値が変わる。 この共鳴周波数のずれを 化学シフト chemical shift といい、NMR での分子の同定に使われる。 通常の場合、NMR のクロマトグラムの横軸が化学シフトである。 詳細は を参照のこと。 パルスシークエンス これまでにみてきたように、特定の周波数の電磁波を照射すると、それが磁性核に吸収され核磁気共鳴を引き起こす。 しかし、その周波数は磁性核の状況によって異なるため、様々な周波数の電磁波をサンプルに照射しないといけないことになる。 かつての NMR はこの方法を取っていたため continuous wave NMR CW-NMR と呼ばれた 1。 周波数を変えていくので時間がかかる。 周波数が本当に「連続的」でないと、共鳴周波数を見逃す恐れがある。 これらの問題点を解決したのが パルスシークエンス法 である 1。 この方法では、「パルスの時間が短いと、パルスに含まれるエネルギーの幅が広がる 時間とエネルギーの幅を同時に小さくすることはできない 」という不確定性原理 uncertainty principle を応用している。 ただし、この場合 NMR シグナルは多くの核からのシグナルの和になるため、フーリエ変換によってスペクトルを解析する必要がある。 詳細は および を参照のこと。 周波数ロック: Lock 化学シフトの位置を正確に測定するためには、スペクトルを測定する間、磁場強度と電磁波の周波数を一定に保っておかねばならない。 この原子核を指定する作業 を ロック lock という。 一般的には、重水素 D に対して行われることが多い。 詳細は を参照のこと。 シム: Shim 明瞭なシグナルを得るためには、磁場の均一性は非常に重要である。 NMR には通常複数のコイルがあり、それらに流れている電流を微調整して磁場を均一にする。 このコイル自身、または磁場を均一にする作業のことを シム shim という。 詳細は に。 重溶媒 重溶媒 deuterated solvent とは、溶媒分子中の水素原子 H の一部または全部を重水素 D に置き換えた溶媒のことである。 重水素化溶媒と呼ばれることもある。 1H-NMR では、試料を溶媒に溶かしてガラスチューブに入れ NMR スペクトルを取る。 この際、溶媒が水素原子を含んでいると、非常に大きな溶媒のピークが見えてしまい、試料のピークが隠れてしまうことがある。 そのため、重溶媒を使ってこのピークをできるだけ小さくする方法がとられる。 また、ロックは重水素に対して行われる。 に D 2O を含む溶媒をまとめた。 プローブ プローブ probe とは、核を励起したり NMR シグナルを実際に受け取ったりする NMR 分光計の重要な部分である 1,8。 磁場の中心部に置かれ、サンプルチューブはプローブの中に挿入される。 プローブは、少なくとも 1 つの radiofrequency RF coil を含む。 核によって carrier frequency が異なるため、原則的には 1 つの核に対して 1 つのコイル、すなわち 1 つのプローブを使って実験をすることになる。 ただし、現在では 広い範囲の周波数を出す broadband コイル が使われることが多い。 多くのプローブは 2 つのコイルをもっている。 サンプルに近い方の inner coil と遠い outer coil である。 どのコイルをどう配置するかによって、様々なプローブがデザインできることになる。 一般に 13C NMR や 31P NMR は 1 H NMR に比べて感度が低いので、ブロードバンドコイルを内側に、 1H のためのコイルを外側に配置することが多い。 定量 1H NMR をメインにする場合、 1H の感度を上げたいので、 1H を観測できるコイルをサンプルに近い内側に配置する。 詳細は を参照のこと。 クエンチング NMR は、液体窒素と液体ヘリウムを用いてメインのコイルを冷却し、そこに大きな電流を流すことによって磁場を作っている。 電流は超電導によって流れ続ける。 何らかの原因によってこの超電導が消失すると、NMR は クエンチ quenching という状態になる。 これは以下のような現象を伴う。 急激な液体窒素および液体ヘリウムの蒸発。 窒息の危険があるため、NMR を設置する部屋の換気や空調は慎重にチェックしなければならない。 本体が動く可能性がある。 コイルが中で暴れるため。 物理的ショック、装置の劣化、操作ミスなどがクエンチングの原因となりうる。 広告 References• Amazon link: ケンプ 1988a. 今西ほか 2009a. 心から納得・理解できる MRI 原理と MRS. に、その他の NMR 関係の本のレビューがあります。 上智大学理工学部物理学科学部三年生用学生実験テキスト. 田中 2009a. 核磁気共鳴 NMR スペクトル講義資料. ゼロからわかる NMR 講座. Niita ed. 2009a Book. Complex-Valued Neural Networks: Utilizing High-Dimensional Parameters. de Graaf 2007 Book. In vivo NMR spectroscopy, 2nd edition. What is a probe? コロラド大学ウェブサイト. By - 投稿者自身による作品, , コメント欄 各ページのコメント欄を復活させました。 スパム対策のため、以下の禁止ワードが含まれるコメントは表示されないように設定しています。 レイアウトなどは引き続き改善していきます。 「管理人への質問」「フォーラム」へのバナーも引き続きご利用下さい。

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核 磁気 共鳴 スペクトル

核磁気共鳴(NMR)スペクトル測定法は、有機化合物の構造決定やタンパク質の生体高分子の立体構造解析などに利用されており、薬学の広い分野で活用されている。 1 核磁気共鳴スペクトル測定法の原理 NMR(核磁気共鳴)スペクトル測定法は、静磁場に置かれた物質の構成原子核がその核に特有の周波数のラジオ波に共鳴して低エネルギーの核スピン状態から高エネルギーの核スピン状態に遷移することに伴ってラジオ波を吸収する現象を利用したスペクトル測定法である。 1) ゼーマン分裂 スピン量子数Iをもつ原子核に外部磁場を加えると(2I+1)個のエネルギー準位に分裂する。 この現象をゼーマン分裂という。 外部磁場を加えて、エネルギー準位が2つに分裂する原子核は、核磁気共鳴(NMR)スペクトル測定法で観測することができる。 そこにラジオ波を照射すると、磁気モーメントが外部磁場と同じ方向をもつもの(低エネルギー状態)が磁気モーメントが外部磁場と反対の方向をもつもの(低エネルギー状態)に遷移する。 この現象を核磁気共鳴という。 2 1H核磁気共鳴スペクトル法より得られる情報 核磁気共鳴スペクトル法より得られる情報については、アセトフェネチジンを例に確認していく。 次にアセトフェネチジンの構造およびそのスペクトルを示す。 <参考:基準物質> 化学シフトの基準物質は、以下の条件を満たすものを用いる。 ・測定溶媒によく溶ける ・観測したいシグナルと重ならない ・化学的に不活性である ・少量の添加でも鋭いシグナルを得ることができる 上記の条件を満たすものとして、 1H—NMR測定法では、テトラメチルシラン(TMS)が用いられる。 シグナル面積は、積分することで得られることから、積分値で表され、スペクトル上では、曲線(積分曲線)で表される。 積分曲線の高さは、そのシグナルの積分値を表しており、それらの積分値の比はシグナル間の面積比を示している。 このことから、積分曲線の比より、プロトンの個数の比を確認することができる。 プロパノールには、同じ環境(電子密度)にある 1Hが4種類あることから、スペクトル上には4種類のシグナルが現れる。 また、それぞれの 1Hの数から、それぞれのシグナル強度は、a:b:c:d=3:2:2:1となる。 そのシグナル分裂をカップリングという。 <参考:重水の添加> 酸素、窒素に結合するプロトンは、少量の重水を加えると、重水素 2Hと置換し、シグナルが消失または移動する。 このことを利用して、酸素や窒素に直接結合するプトロンを確認することができる。 1)化学シフトと磁気遮へい効果 (1)化学シフト 同種の原子核でも分子の中でおかれている環境の違いにより、その共鳴周波数がわずかに異なる。 例えば、アセトフェネジンのdとfの 1Hでは共鳴周波数が異なる。 化学シフト値は核磁気共鳴スペクトルの横軸として用いられる値であり、基準物質(テトラメチルシランTMS)を0として、左方向が正の値となる。 低磁場側では化学シフト値は大きく、高磁場側では化学シフト値は小さい。 そのため、化学結合を介してプロトンの周りの電子を引っ張るような置換基があれば、遮蔽効果は小さくなる。 この効果を誘起効果という。 <誘起効果と化学シフト値> ・電気陰性度が高い原子が隣接していると、核の周りの電子密度が減少し遮へい効果が小さくなるので低磁場側(化学シフト値が大きい方向)にシグナルがシフトする。 磁気異方性効果は空間を介して作用するため、官能基とプロトンの位置により遮蔽の程度を弱めることもあれば強めることもある。 この値は外部磁場の影響を受けず、常に一定となる。 一般に隣に等価なプロトンが n 個存在するとシグナルは(n+1)本に分裂する(この分裂することをカップリングという)。 隣接する炭素に結合するプロトンの数によりa、b、c、dのシグナルは、下記に示すようにカップリングする。 a:隣接する炭素に2つのプロトンが結合しているため、トリプレット(三重線)となる。 b:隣接する炭素に5つのプロトンが結合しているため、マルチプレット(多重線)となる。 c:隣接する炭素に3つのプロトンが結合しているため、カルテット(四重線)となる。 d:隣接する炭素に2つのプロトンが結合しているため、トリプレット(三重線)となる。

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核磁気共鳴装置の原理と応用

核 磁気 共鳴 スペクトル

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Niita ed. 2009a Book. Complex-Valued Neural Networks: Utilizing High-Dimensional Parameters. de Graaf 2007 Book. In vivo NMR spectroscopy, 2nd edition. What is a probe? コロラド大学ウェブサイト. By - 投稿者自身による作品, , コメント欄 各ページのコメント欄を復活させました。 スパム対策のため、以下の禁止ワードが含まれるコメントは表示されないように設定しています。 レイアウトなどは引き続き改善していきます。 「管理人への質問」「フォーラム」へのバナーも引き続きご利用下さい。

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